プラトン・プラネタリウム
かつて正12面体は宇宙を表すものと考えられていた
今回は正12面体式のプラネタリウムを作ります。プラネタリウムというと、球形を思い浮かべる方が多いですが、球形のプラネタリウムは手軽に作成というわけにはいきません。
手軽に作成できるようにしたのが「円柱式プラネタリウム」です。
ここをクリックこれは、メガスターで有名なあの大平さんのホームページに載ってます。手先が器用な人が作るととても立派に作れます。東京工芸大の子供向けイベント「わくわく工芸ランド」で牟田は4年間、このプラネタリウムを作るイベントを行ってきました。
今回、さらに手軽に作れるように、学研「大人の科学 vol.9」を参考に、「厚紙でできる正12面体プラネタリウム」を開発しました。正12面体は平面の5角形をつなげていくので、手先があまり器用でない人でもカンタンにできます。2009年8月1日に「東京工芸大 わくわく工芸ランド」でこれを使ってプラネタリウムを作成しました。
このプラネタリウムにはもう一つ、面白い話があります。
むかしむかしのギリシア時代、「形と元素」を結び付ける試みがありました。たとえば水を正20面体、火を正四面体、土を、正6面体と結び付けたのです。さらに、正12面体は宇宙を表すものと考えられていました。
つまり、この正12面体プラネタリウムは「昔の人が宇宙の象徴として考えた正12面体」というエピソードとも合致するのです。
というわけで12面体でプラネタリウムをつくることは、かつて正12面体が宇宙を表すと考えられていたことを考えると、何かロマンがありますね。
注1:引用元(東京工芸大牟田淳のWEBページより)を紹介してください。
注2:実際にイベント等で使用される場合は、必ず自分で作成してみてから自分流に調整するなどしてイベントを行ってください。このイベントはすでに5回成功していますが、イベントの成否は自己責任で行い、イベントの成否などの苦情はご遠慮ください。ただし、感想やプラネタリウム作成の改善方法に関するアドバイスはどしどしお願います。
用意するもの
プラネタリウム本体
すべて、東急ハンズで入手できます(2009.08現在)
- 工作用紙3枚(1人分)
- 単一乾電池2個
- スイッチ式単一乾電池ホルダー(2個用)
- 豆電球ソケット
- クリプトン探見球1個(national MB-25G75K/2Bなど)
クリプトン探見球は明るい豆電球なので使っていますが、なければ普通の豆電球でもいいでしょう。
工作用の道具
- 強力両面テープ(ニチバン NW-K10など)
- はさみ
- のり
- セロテープ
- クリップ
- 穴あけ(ダイソーなどで100円で入手できます)
- 木の板(穴あけで机などを傷つけないため、ダイソーなどで100円で入手)
- コルク、ゴムなどのやわらかいシート(ダイソーなどで入手。なくてもOK)
あるといいもの
- 円形カッター(東急ハンズなどで売っています)
- 円形穴あけ(東急ハンズなどで売っています)
- 小さな円形穴あけ(ファイリングする穴よりちょっと小さいもの。東急ハンズにありますが、なければ穴あけで代用)
- オフィス用ディスクカッター(大量に下ごしらえをするとき便利。1個だけ個人で作る場合は特に必要なし)
そのほか
工作用紙にプラネタリウム原版を印刷するためのパソコン、インクジェットプリンタ
イベント前の下準備
イベント会場ですべてをやると大変なので、下ごしらえはイベント担当者が行います。
厚紙のダウンロード
ここからダウンロードしてください。
厚紙1 (古いバージョン厚紙1)
厚紙2
厚紙3
厚紙4
厚紙5
注1:引用元(東京工芸大牟田淳のWEBページより)を紹介してください。イベントなどはOKですが、商用に使わないでください。
厚紙の印刷
厚紙の図をダウンロードしたら、インクジェットプリンタで印刷します。工作用紙はA4に切っておきましょう。一枚の工作用紙から2枚、A4の厚紙ができるはずです。普通の白い工作用紙であればこれで普通に印刷できます。ただし、カラー工作用紙の場合、表面がつるつるしていてこれにあったインクジェットの設定はありません(2009.8現在)。そこで用紙設定を写真用紙などにして印刷しますが、それでもインクは半日ほど乾きませんので、印刷したあとはは触らないようにして乾かします。これが面倒な場合は普通の白い工作用紙にしましょう。
ディスクカッターで下ごしらえ
個人で作る人はここは読み飛ばしてください。もしくは、時間がたっぷりあるイベントの場合はここを読み飛ばしてください。イベントなどで大量に作る場合は、印刷した後、オフィス用ディスクカッターなどであらかじめ図のようにさらに切っておきます。こうすると、子供たちが作成する時間を節約できます。
円形カッターなどで円形の穴をあける
プラネタリウムの支持棒を通す一番大きな穴の作成
これは、円形カッターで切るとらくらくと開けられます。
電球ソケットのための穴の作成
これは円形カッターではさすがに小さくで無理なので、円形穴あけ(東急ハンズなどで売っています)などで穴をあけます。なければファイリング用の1穴あけで何回か穴をあけて穴の大きさを電球ソケットより少し小さいくらいの大きさにします。
電線を通す穴の作成
穴あけでやっても十分大丈夫ですが、小さな円形穴あけ(ファイリングする穴よりちょっと小さいもの)がある人はこれで穴をあけるといいでしょう。
イベントでのプラネタリウム作成
まず、部屋を真っ暗にして満天の星空をつくり、子供たちを感動させる
いきなりプラネタリウムを作っても誰も感動しません。まず、「プラネタリウムの素晴らしさ」を5分ほどで体験してもらうのです。牟田はいつも部屋を真っ暗にします。単にカーテンを引き、電気を消すだけでは真っ暗になりません。黒いラシャ紙と養生テープで窓から光が入らないようにして、電気を消した時に自分の手が見えないくらい部屋が暗くなるようにするのです。これが面倒でしたら、夜にイベントを行うなどすると比較的くらい部屋が作れるでしょう。
このようにして部屋を真っ暗にしてプラネタリウムの星空を見せるのです。このとき、部屋があまり暗くないと全然だめですが、部屋が真っ暗なら素晴らしい星空が部屋に浮かぶはずです。感動ものです。感動すればあとは子供たちが勝手に作ります。
プラネタリウム原版穴あけ、はさみ入れ
原版にはさみを入れる
原版にはさみで型どおりに作っていきます。
星に穴をあける
次に「穴あけ」で星の部分に穴をあけていきます。このとき、机などを傷付けないよう、木の板を敷き、その上にゴムもしくはコルクのシートを敷きます。その上にプラネタリウムの星の原版を置き、穴あけで穴をあけていきます。
プラネタリウム本体の作成
プラネタリウムは「プラネタリウム本体」と「光源、支持台」に分かれます。まずプラネタリウム本体を作りましょう
プラネタリウムを強化する筒の作成
プラネタリウムはそのままだと不安定なので、「プラネタリウムを強化する筒」を作ります。のりしろに強力両面テープを使って筒を作ります。
「プラネタリウムを強化する筒」をプラネタリウムに取り付けます
プラネタリウム本体の作成
プラネタリウム本体に折り目をつけ、強力両面テープをはり付けていきます。
プラネタリウム本体は図のようにアルファベットが一致するように強力両面テープではりつけていきます。クリップで数十分固定して、強度を強くします。
光源の作成
支持棒の作成
支持棒を図のようにして作ります。
強力両面テープで固定します。数分、大きなクリップで固定しておくといいでしょう。
その後、穴がある方はのりしろを外側に、逆の方はのりしろを内側に折り曲げます。
その後、電球ソケットを取り付ける穴のあいた丸い板を支持棒ののりしろを内側に折り曲げた方に強力両面テープでくっつけます。
光源の作成
豆電球を電球ソケットに取り付けます。電球ソケットと電球ソケットを取り付ける穴に差し込み、電線を支持棒の横の穴から通します。
電池フォルダの設定
電池フォルダに電線を取り付けます。まず、電線を図のようによじってから穴に電線を通し、2~3回回せばいいでしょう。電池を互いを逆向きにして電池フォルダに装着します。スイッチを入れて光ればOKです。
支持棒、電池フォルダの台への取り付け
支持棒と電池フォルダを強力両面テープで台に取り付けます。
プラネタリウム本体を取り付けたら完成です。
参考資料
参考文献
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